江戸時代に一休の名を冠した一連の道歌集が創作、出版された。道歌は宗教的または道徳的な教訓を読み込んだ和歌で、狂歌に近い性格を持っている。そのため書名には「狂歌」と銘打つものも多い。筆者は一休に仮託された道歌ついて調査し、既に『一休和尚いろは歌』についての論考を発表したが、本稿では別の『一休狂歌雀』と題された道歌集を紹介し、その位置付けを行うことを目的とする。This report is the basic research of “Ikkyu Kyoukasuzume(一休狂歌雀)”. The instructive songs for the common people are recorded in the book. Instructive songs were called “douka” in Japanese. There are a lot of unknown materials about them. “Ikkyu Kyoukasuzume” is one of this
井原西鶴の武家物の第二作『武家義理物語』(貞享五・一六八八年正月刊)巻三の二が「約束は雪の朝食」である。現在も京都に残る詩仙堂の主であり、寛永期を代表する文化人としても知られる石川丈山をめぐる逸話を中...
『当麻中将姫和讃』は現在大阪教育大学小野恭靖研究室所蔵の和讃資料一冊である。この和讃は大和国当麻寺伝来の曼荼羅の縁起にかかわるもので、中将姫伝説に基づいて創作されている。この和讚が注目されるのは、従来...
「為定勅撰集撰者和歌抄」(仮称)は、康永年間の頃、浄土寺前大僧正慈勝の懇望によって、当時歌壇の重鎮であった二条為定が、「古今集」から「続後拾遺集」までの十六代の勅撰集の撰者の和歌三首ずつ抄出した、一種...
江戸期に刊行された道歌集のうち、堀原甫の編になる『念仏道歌西之台』(天保一二年〈一八四一〉刊・めとぎ屋幸助版)と題される一本が存在する。この書は仏教信仰のうち、浄土教信仰の理念に基づいた一二〇首(凡例...
短歌形式の文学のひとつに道歌(どうか)と呼ばれるものがある。道歌は宗教的または道徳的な教訓を読み込んだ和歌であるが、むしろ狂歌に近い性格を持つ場合も多いと言える。筆者は道歌に関心を持ち、既に『道歌心(...
本稿で取り上げる『逆修説法』は法然が逆修法会において行った講説の聞書である。そこで説かれる「孝養父母」の講説は『観経釈』や『選択集』より詳しくなっている。この事について、中原親子の関係を踏まえる法然の...
尊経閣文庫蔵「和歌御会中殿御会部類」に収められていた新資料の「永徳二年三月二十八日内裏和歌御会」は、巻頭の五首だけの残欠であったが、その三十一首からなる完本が清水文庫に見出された。本稿は、その新資料の...
短歌形式の文学のひとつに道歌と呼ばれるものがある。道歌は宗教的または道徳的な教訓を詠み込んだ短歌形式の歌であるが、和歌というよりむしろ狂歌に近い性格を持つ場合が多い。中でも禅僧が創作した『いろはうた(...
鴨長明『方丈記』の「五大災厄」の部分は、当時起きた災害の事実を基に記しているとされるが、中には「虚構」とされる部分もある。確かに、「養和の飢鯉」について見るに、養和二年の二ヶ月間に供養された遺棄遺体数...
播州網干の禅僧、盤珪永琢の教義は不生禅としてあまりにも著名である。また、その教義は民衆教化のための歌謡として残されたことでも広く知られている。そのひとつは盤珪自作と言われる歌謡の「うすひき歌」で、もう...
清浄華院の僧であった向阿によって著わされた 『帰命本願抄』、『西脇要抄』、『父子相迎』 のいわゆる三部仮名抄は日本の浄土教を代表する仮名法語である。その三部仮名抄には、必ずしも古写本が多くは残されてい...
杜甫五律的"胜场"固然表现为包蕴众体、气象恢宏、错综变化。但就五律这一体式而言,其"独造"主要体现在取景造境内涵的极大拓展,以及对"物色生态"...
近世(江戸時代)民謡の最大の特徴は、その教訓的内容にあると言ってよい。それらのうちの多くは、児童向けに親への孝を説いた歌謡で占められる。このような内容の歌は一般的には儒教的道徳によるものと受け取られる...
本稿は近時、大阪教育大学小野研究室蔵となった新出の〝おもちゃ絵〞の歌謡資料である『新板小供うたづくし』を影印と翻刻によって紹介し、当該資料の位置付けを行う論考である。おもちゃ絵は江戸時代末期から明治時...
百人一首の歌仙絵は類型的だと見られているが、近世初前期においては混沌としていた。その証拠として新出の『百人一首手鑑』(近世初前期成立) を例示したい。本書の最大の特徴は、四人の院が僧体で描かれているこ...
井原西鶴の武家物の第二作『武家義理物語』(貞享五・一六八八年正月刊)巻三の二が「約束は雪の朝食」である。現在も京都に残る詩仙堂の主であり、寛永期を代表する文化人としても知られる石川丈山をめぐる逸話を中...
『当麻中将姫和讃』は現在大阪教育大学小野恭靖研究室所蔵の和讃資料一冊である。この和讃は大和国当麻寺伝来の曼荼羅の縁起にかかわるもので、中将姫伝説に基づいて創作されている。この和讚が注目されるのは、従来...
「為定勅撰集撰者和歌抄」(仮称)は、康永年間の頃、浄土寺前大僧正慈勝の懇望によって、当時歌壇の重鎮であった二条為定が、「古今集」から「続後拾遺集」までの十六代の勅撰集の撰者の和歌三首ずつ抄出した、一種...
江戸期に刊行された道歌集のうち、堀原甫の編になる『念仏道歌西之台』(天保一二年〈一八四一〉刊・めとぎ屋幸助版)と題される一本が存在する。この書は仏教信仰のうち、浄土教信仰の理念に基づいた一二〇首(凡例...
短歌形式の文学のひとつに道歌(どうか)と呼ばれるものがある。道歌は宗教的または道徳的な教訓を読み込んだ和歌であるが、むしろ狂歌に近い性格を持つ場合も多いと言える。筆者は道歌に関心を持ち、既に『道歌心(...
本稿で取り上げる『逆修説法』は法然が逆修法会において行った講説の聞書である。そこで説かれる「孝養父母」の講説は『観経釈』や『選択集』より詳しくなっている。この事について、中原親子の関係を踏まえる法然の...
尊経閣文庫蔵「和歌御会中殿御会部類」に収められていた新資料の「永徳二年三月二十八日内裏和歌御会」は、巻頭の五首だけの残欠であったが、その三十一首からなる完本が清水文庫に見出された。本稿は、その新資料の...
短歌形式の文学のひとつに道歌と呼ばれるものがある。道歌は宗教的または道徳的な教訓を詠み込んだ短歌形式の歌であるが、和歌というよりむしろ狂歌に近い性格を持つ場合が多い。中でも禅僧が創作した『いろはうた(...
鴨長明『方丈記』の「五大災厄」の部分は、当時起きた災害の事実を基に記しているとされるが、中には「虚構」とされる部分もある。確かに、「養和の飢鯉」について見るに、養和二年の二ヶ月間に供養された遺棄遺体数...
播州網干の禅僧、盤珪永琢の教義は不生禅としてあまりにも著名である。また、その教義は民衆教化のための歌謡として残されたことでも広く知られている。そのひとつは盤珪自作と言われる歌謡の「うすひき歌」で、もう...
清浄華院の僧であった向阿によって著わされた 『帰命本願抄』、『西脇要抄』、『父子相迎』 のいわゆる三部仮名抄は日本の浄土教を代表する仮名法語である。その三部仮名抄には、必ずしも古写本が多くは残されてい...
杜甫五律的"胜场"固然表现为包蕴众体、气象恢宏、错综变化。但就五律这一体式而言,其"独造"主要体现在取景造境内涵的极大拓展,以及对"物色生态"...
近世(江戸時代)民謡の最大の特徴は、その教訓的内容にあると言ってよい。それらのうちの多くは、児童向けに親への孝を説いた歌謡で占められる。このような内容の歌は一般的には儒教的道徳によるものと受け取られる...
本稿は近時、大阪教育大学小野研究室蔵となった新出の〝おもちゃ絵〞の歌謡資料である『新板小供うたづくし』を影印と翻刻によって紹介し、当該資料の位置付けを行う論考である。おもちゃ絵は江戸時代末期から明治時...
百人一首の歌仙絵は類型的だと見られているが、近世初前期においては混沌としていた。その証拠として新出の『百人一首手鑑』(近世初前期成立) を例示したい。本書の最大の特徴は、四人の院が僧体で描かれているこ...
井原西鶴の武家物の第二作『武家義理物語』(貞享五・一六八八年正月刊)巻三の二が「約束は雪の朝食」である。現在も京都に残る詩仙堂の主であり、寛永期を代表する文化人としても知られる石川丈山をめぐる逸話を中...
『当麻中将姫和讃』は現在大阪教育大学小野恭靖研究室所蔵の和讃資料一冊である。この和讃は大和国当麻寺伝来の曼荼羅の縁起にかかわるもので、中将姫伝説に基づいて創作されている。この和讚が注目されるのは、従来...
「為定勅撰集撰者和歌抄」(仮称)は、康永年間の頃、浄土寺前大僧正慈勝の懇望によって、当時歌壇の重鎮であった二条為定が、「古今集」から「続後拾遺集」までの十六代の勅撰集の撰者の和歌三首ずつ抄出した、一種...